アメリカ発相続・節税・投資・不動産相談室

2008年4月16日

息子を不動産の名義に加えたために財産を失った母親

先日このブログで、ジョイントテナンシーの欠点を述べた
ばかりですが、これに関連してアリゾナ州で実際に起こった
事例をひとつご紹介します。

ある母親が、長年所有していたコンドミニアムの名義に息子を
加えました。このコンドはテナントに貸しており、母親が
賃貸収入を受けとり、家の税金や諸経費も全て支払っていま
した。息子を名義に加えた理由はプロベートを避けるためです。

さてこの息子は所得税を滞納していたため、IRS(米国
の税務署)から訴えられて敗訴し、コンドミニアムは
強制的に売却されてIRSが滞納した税金を徴収しました。
母親には、売却して出た金額の半分が支払われました。
母親はIRSを相手取って訴訟を起こし、息子の名義を
加えたのは相続対策のためであり、実際には自分が100%
所有しているのであると主張しましたが認められませんでした。

ジョイントテナンシーとして誰かを名義に加えることは、
法的に半分の権利を譲渡することになりますので、いくら
自分の子供だとしても、慎重に検討して行いましょう。

ラベル:

2008年4月11日

ジョイントテナンシーの利点と欠点

ジョイントテナンシー(正式にはJoint Tenancy with
right of survivorship 以下ジョイントと呼ぶ)とは、
不動産などの財産を複数の人が共有する場合の名義の
登録方法のひとつです。夫婦で家を所有する場合には、
ジョイントにするか、コミュニティプロパティにするか、
リビングトラストにするのが一般的です。ジョイント
での所有には利点と欠点がありますので注意が必要です。

まず最大の利点は、プロベートを避けることができる
ことです。ジョイントテナンシーの所有者の一人が
死亡した時には、プロベートなしで残りの所有者に名義
が移行します。

主な欠点は、一人が誰かに訴えられて裁判で負けたり、
負債を負ったり破産宣告をすると、財産全部を失う
可能性があること、一人目が亡くなった時点ではプロ
ベートは避けることができますが、最後の所有者が亡く
なった時、またはジョイントで所有していた夫婦が
一緒に事故で亡くなったような場合にはプロベートに
なってしまうことがあげられます。

さらに、一人目が亡くなった時に、その財産の価値全部
が亡くなった人の遺産とみなされますので、遺産の価値
次第では、遺産税が課税されます。

また、配偶者の死後、遺された夫または妻が、将来の
プロベートを避ける目的で子供をジョイントテナントと
して名義に加える場合がありますが、これをしますと、
万が一リバースモゲージを借りたい時に借りれないこと、
子供の名前を加えた時点で、半分を子供に贈与したことに
なること、また親の死亡後、子供が「ステップアップ
ベース」(税金を計算するための取得価を贈与された
時点の時価にできること)が使えず、親が取得した時の
価格が取得価とみなされてしまうので売却益が多くなって
しまうこと、などの注意点を良く検討したうえで、できれ
ば税務専門の弁護士と相談の上で決めることが重要です。

ラベル: