アメリカ発相続・節税・投資・不動産相談室

2008年5月13日

資産が多い夫婦のためのリビングトラスト

ABトラストとというトラストがあります。バイパストラスト(Bypass Trust)、クレジットシェルタートラスト(Credit Shelter Trust)、エグザンプショントラスト(Exemption Trust)、ファミリーセキュリティートラスト(Family Security Trust)などとも呼ばれ、夫婦のみが利用できるトラストです。

このトラストの目的は、相続税を減らすことです。夫婦の資産が、遺産税の免除額より多いばあい、AトラストとBトラスト、2つのトラストに、財産を分けて入れることによって、相続税の節税になります。

たとえば、夫婦で財産が$5ミリオンあったとします。2008年の連邦遺産税は、一人$2ミリオンまでは無税ですが、$2ミリオンを超える分については、45%が課税されます。もしABトラストではない、普通のリビングトラストだった場合、一人目が亡くなった時点では、配偶者控除によって相続税の課税はありませんが、二人目が亡くなった時には、一人分の遺産税控除しか受けることができませんので、$5ミリオンのうち、$3ミリオンに対して課税されます。

そこで、ABトラストを作って、ここに$5ミリオンの財産を入れたとします。夫が亡くなった時点で、Bトラストに$2ミリオン入れて、Aトラストに残りの$3ミリオンをいれたとします。Bトラストは、夫分のトラストで、夫が亡くなって財産を分割した時点で撤回不可のトラストとなり、その後、この財産がいくらに増えても、遺産税が課税されることはありません。妻は、このBトラストに入っている財産から、配当や利息などの収入を得ることはできますが、その資産自体を売却したりすることはできません。

一方、Aトラストは残った妻の分で、妻が亡くなった時点で、連邦遺産税の免除額を超える分について、課税されます。たとえば、$3ミリオンがそのまま残っていたとして、妻が亡くなった年の遺産税の控除額が$2ミリオンだとすると、それを超える$1ミリオンについてだけ、課税されます。

このように、AとBに分けたことにより、Bの分は遺産税が無税となるため、妻が死んだ時点での遺産税課税額が、大きく節約できることになるわけです。余談ですが、私達は、AとBと、どちらがどちらなのかを覚えるために、A=Above Ground(地面の上)B=Below Ground(地面の下)記憶します。地面の上がまだ生きている人の分、地面の下は亡くなった人の分というわけです。

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