アメリカ発相続・節税・投資・不動産相談室

2008年5月9日

医療委任状

リビングトラストを作成されると、リビングトラストの他に、
遺書、医療委任状、財産委任状がセットで含まれているのが
普通です。今日は、この中で、医療委任状の必要性について
考えてみたいと思います。

医療委任状は、本人が病気や事故で、正常な判断ができなく
なった時に、本人に代わって医療上の判断をしてくれる人を
代理人として指名するとともに、あらかじめ、自分が希望する
医療措置と拒否する医療措置などについて、意思を明確に
表明しておくための、法的に有効な書類です。

医療委任状は、本人は正常な判断をできる状態ではない、
ということが、米国内で医師免許を持った医師によって
判断された場合にのみ効力を発します。また、本人の状態
が正常に戻った場合には、無効となります。

私のお客様の過去の例では、以下のような事項を医療委任状
に記載された方々がいます:

1.植物状態になった時には、人工呼吸器などの機器による
延命は希望しない

2.家族の見分けがつかず、なおかつトイレが自分で使えなく
なった場合は、それ以上の一切の延命治療はせずに自然に死を迎えたい

3.葬式も墓も必要ない。火葬して海に灰をまいてほしい。

このようなご希望を聞きながら私が思ったことは、植物状態
であっても、奇跡的に生き返る例もあるし、医療が日に日に
進歩し、待てば治療法が見つかるかもしれないのだから、
家族として延命機器の取り外しを決断するのは、いくら本人の
希望でも、非常に困難であろうということです。

とはいえ、植物人間となった人を人工呼吸器で生かすには、
家族が経済的にも精神的にも大きな負担を強いられることを
考えますと、このような意思表示をしておくのは、家族思い
と言えるのかもしれません。2005年に米国で大きく報道された、
テリーシャイボという人の例を思い出される人も多いことと
思いますが、植物状態のテリーの生命維持装置をとりはずしたい
と主張する夫と、それに反対する両親との間の7年間にも
及ぶ争いの内容が、メディアで大きく報道され、政治家、
医療関係者、そして裁判所を巻き込んで大論争となりました。
最終的に裁判官が、延命機器をとりはずすことが、テリー
本人の希望だと判断しましたが、この判決については、
未だに疑問視する声があります。

さて、皆さんも一度医療委任状の作成について考えてみてください。
なお、医療委任状についてのページは、下記をブラウザーに貼り付けてください:
http://www.californiafudosan.com/medicaldirective.html

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