アメリカ発相続・節税・投資・不動産相談室

2007年12月31日

キャピタルゲイン税の回避

今年は年の瀬になって1件大至急のビジネスが入って来た。
大きな商業施設を持っていた人が、この施設を11月に売却
したが、そのまま売却したら利益に対してキャピタルゲイン
税が課税されるため、これを避けるために、IRSの規則で定める
ところに従って「1031エクスチェンジ」と呼ばれる方法で
買替えをしようとした。この買替えをするには、売却した
日から45日以内に買換える物件を指定し、買換えを180日
以内に終了しなければならない。期限の延長は一切認められ
ない。今回相談に来た人の場合、この45日がもうすぐ切れる
ので大至急、条件に合う買い換え物件を探さなければなら
ないが、今から物件を探してオファーを入れて、というのでは
間に合わないくらい期限が迫っている。もし商業物件の売却を
終了する前に相談に来てくれたら、もっと他の方法があった
のにと悔やまれる。ある種の信託を利用する方法で、課税なし
に売却益をそのまま受け取って運用することができ、45日とか
180日というような規則に縛られる必要もなく不動産に買い替え
る必要もない。しかし今回の相談の場合、売却の方がもう終了
してしまっているので信託は利用できないため、1031エクス
チェンジでTIC投資に買い換えることになると思う。探して
みると、幸い、条件に合うTICが売りに出ている。
TIC投資というのは、大きな商業施設(ショッピングモールとか
大規模なアパート)を共有する投資方法で、投資金額の6%から
8%の利益配当があり、出資者の名前は、TICという名義登記
の方法で正式にオーナーとして郡に登記されているので、他の
共同オーナーの中に経済的にトラブルになる人が出たりして
もその影響が他の投資家に及ぶことはなく、自分の名義分は自由に
好きな価格で売却できる。1031エクスチェンジで物件が見つから
ず困っている投資家がよく利用するだけでなく、不動産であり
ながら、管理の業務やリスクから解放され、また自分ひとりでは
購入できない大規模な不動産に投資できるという点で、純粋な
投資としても、ポートフォリオに入れるとよいもののひとつだと思う。

さて、今年もあと残り7時間ほど。さっき日本の実家に電話を
して新年のあいさつを済ませた。今日はあと少し書類の整理など
してから、夜はハモサビーチに繰り出してカウントダウンを迎え
ようかという予定です。皆さん、よいお年をお迎えください。

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2007年12月28日

相続争い

今週のご相談は、高齢の未亡人の財産をめぐる親族の確執について。
ご相談に来られたのは未亡人の姪御さんで、叔父さんが亡くなった
あと、遺された叔母さんの財産をめぐって、叔父さんの兄弟が、
自分達に遺産を遺すことを書いた遺書があるはずだとか、遺された
未亡人は健康状態も精神状態も良くないので、自分達に遺産管理を
委任するべきだなどと申し立てているとのこと。誰かが亡くなると、
財産のことで人が変わったようになる親族が出てくるという事例は
多い。今回のような場合、もし親族がよってたかって、この未亡人
が遺産を管理する能力がないというような申し立てをして、それが
万が一通ってしまうと、管財人を立ててその人に一切を委任する
ことになってしまう。昔、米国のコメディアンのガウチョという
人が息子の申し立てで裁判所から資産管理能力なしという宣告を
受けたという有名なケースがあったが、有名人でなくてもそのような
事例は多くある。そのような悲劇を避けるためには、あまり高齢に
なるまで待たないで、自分のエステートプランをしっかりと作る
ことだと思う。一生かけて築き上げた財産を、自分の意図しない
人に自由に使われてしまうことになるなんて、全く情けないこと
ではないだろうか。今回のケースでは、未亡人は資産管理を姪に
して欲しいと希望しているので、姪と未亡人の二人をTrustee
(トラストの管理人)として至急リビングトラストを作成する
ことになると思う。これにより、今後、未亡人が本当に精神的、
身体的な理由で管財能力がなくなっても、姪に法的な権限があり、
その他の親戚には全く彼女の資産に手をつけることはできなくなる。

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2007年12月27日

米国医療保険事情 その3

医療保険では国内最大手のブルークロスが最近、今までより格段に
保険料の安いプランや、健康になろうとする人には「報奨金」を
出すなどの奇抜なプランをどんどん出して来ている。どのプランを
選んでも、万が一の大病になった場合の自己負担の上限はほとんど
一人$5000ドルで、生涯の保険金上限は$5ミリオン、またはプラン
によって$7ミリオンとなっているが、違いは、Dedictibleという、
自己負担額と、処方先薬がカバーされるかどうか、Preventive
Careといって、予防のための検診などが最初からカバーされるか
自己負担額を満たすまでカバーされないのか、出産がカバーされるか
などである。
思うに、私の家族のように、ほとんど医者にかからない場合は、
年間に一人$1000も使わないので、自己負担$1000のプランを
選んでもおそらく満たすことができない。それならば、自己負担
$5000プランの方が保険料が格段に安いので、こちらを選択して、
その代わりに、自己負担額が多いプランを選ぶとヘルス・セービ
ング・アカウントというものを開けて積み立てをすることができ、
これに積み立てる金額は税金で落とすことができ、医療関係の
費用に使う限りは利子にも税金がかからないという特典があるので、
これを利用した方がよい。またこのプランでは、乳癌検診、子宮癌
検診、指定機関での健康診断は全額カバーされるものもある。

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IRAが先か、生命保険が先か、学資積立が先か?

20代、30代のご夫婦からファイナンシャルプランのご相談を
受ける際によく受ける質問として、何が優先か、ということが
ある。若いうちは収入もまだ多くはなく、子供が小さいうちは
小学校にあがってからよりも、託児所やプレスクールでお金が
かかり、将来のための貯金にまわせるお金も限られている。
そうなると、リタイアメントの為の貯蓄が先か、生命保険が
先か、子供の学資積立てが先か、という問題が発生する。
このような場合、子供の学資よりもまず先に、夫婦のリタイア
メントが優先と考える。子供は大学に進学しないかもしれず、
または成績優秀で奨学金をもらうかもしれず、祖父母からの
援助を受けられるかもしれず、最悪の場合でも学生ローンがある。
まずは、税金の恩典のあるIRAやRoth IRAを利用して夫婦それ
ぞれが毎月少しづつでも積み立てをし、複利と時間の力を利用して
お金に働いてもらうことが大切である。もちろん、勤務先で401(k)
などの年金プランがある人は、それをまず利用するべきである。
そして、生命保険も非常に大切だ。生命保険は若いうちに加入した
ほうが掛け金が安い。最初は安い掛け捨てでもいいので、とにかく
一家の大黒柱に何かあった時のために備える。そしていずれは、
貯蓄型の生命保険に加入することが理想だと思う。貯蓄型生命保険
は、税金の利点も多いし、死亡保険金としてだけではなく、
リタイアメントのための貯蓄としても利点が多い。最近は、将来
癌や心臓病になった場合や介護が必要になった時に死亡保険金を
それらの医療費に充当できるという生命保険も出ているし、年金
プランと同じような、元本保証、インカム保証などの利点の多い
生命保険も出ているので、ファイナンシャルプラン、ライフプラン
のひとつのツールとして利用価値は高い。

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2007年12月16日

米国医療保険事情 その2

企業の保険に加入していた人が退職し、すぐに次の
雇用主の保険に加入できない場合などは、一定期間、
前の職場の保険を継続できる制度(COBRA)があるが、
COBRAの保険料はほとんどの場合個人負担で、しかも
普通に個人で加入する場合よりもかなり高い。しかし
それまで雇用主から提供される保険に加入していた人は
ほとんど、個人保険に切り替えたほうが安いということを
知らない場合が多く、高い保険料を継続して支払って
いることが多い。もちろん保険会社は、このような事を
一般に広く知らせようとはしないし、そうでなくても
保険のシステムは複雑怪奇で、保険業者でさえ変化について
行くのが難しい。前回書いた、社員がそれぞれ個人保険に加入
し、会社から保険料を援助してもらうというシステムを
導入した場合、個々の社員が早くから個人保険に加入する
ことで保険料も節約でき、仕事を変っても保険を変える
必要も、保険料の高いCOBRAに加入する必要もなく、一度
加入した保険は保険料を支払っている限り取り消される心配
がないという点で、個人にとっても会社にとっても、WIN WIN
だと思う。さらに、アメリカの多くの企業が悩む医療保険料の
高騰は、そもそも、自分の懐がいたまない人々が医療費の節約
を考えないで使うことに大きな原因があるのではないか。病気に
なったら何千ドル、何万ドルを自分のお金で支払わなければ
ならないとなれば、誰でも真剣に医療費を節約するために健康に
なる努力、食生活を改善し運動して肥満や糖尿病を防ぐ努力を
するようになるのではないだろうか。

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2007年12月14日

米国医療保険事情 その一

アメリカには日本やカナダのような社会保険制度がなく、
医療保険の保険料は個人にとっても企業にとっても大きな
負担となっている。企業保険は、その会社に勤務する社員
でその会社が決めている条件(勤続1年など)を満たす者
なら病歴にかかわらず加入が認められる。その為、病気の
家族がいて個人では保険に入れないような人が、保険の為
だけに就職する場合がある。このような従業員は仕事に対
するやる気や向上心がない場合も多く、またこの従業員の
家族が多額の医療保険の請求をすることで、この会社の社員
全員の保険料が値上げとなり、その企業および社員にとって
負担となる場合もある。また、企業の医療保険の保険料は
個人で加入する保険料よりもかなり高いということがあまり
知られていない。さらに、企業保険は多くの場合、その会社
を退職したら終了する。退職後、個人で保険に加入しようと
しても健康上の理由で加入できる保険が見つけられない方が
多くいる。一方、個人の保険は、一度加入したら、その後病気
になっても、保険料を支払っている限り取り消されることはない。
そこで、保険を提供する企業に勤めている人でも、会社の保険
ではなく個人の保険に加入し、保険料として一定額を会社から
支払ってもらうという方法を導入する企業が少しづつ増えて
来ている。(続きは次回)

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2007年12月7日

テナント問題

顧客の一人でアパートをたくさん所有している人がいる。その人が
最近、一軒のアパートにテントをかけて白蟻駆除をした際、その
アパートの20戸のうち3戸に泥棒が入り、テナントの電気製品
などが盗まれたという。白蟻駆除のテントをしていると、留守だ
ということを宣伝しているようなものなので、泥棒に狙われる。
しかし、テント内には有毒ガスが充満しているのだから、泥棒
に入るほうも命がけである。泥棒が入った損害に対して、白蟻
駆除会社にもアパートのオーナーにも、過失がない限りは責任
はないはずだと思うが、テナントがオーナーを訴えるのは日常
茶飯事のこの国で、こういう事故が起これば、訴訟の種となる
ことは間違いがない。悪いことに、物が盗まれたと主張している
テナントは、以前にもオーナーのせいで怪我をしたと主張して
保険金を受け取ったことがあり、何かにつけて問題を起こしやすい
テナントだった。このアパートのオーナーである私の顧客は、
正直・実直を絵に描いたような人で、曲がった事はできない人である。
日頃から真摯にテナントの苦情に答えようと努力する人だが、
残念なことにそのような正しい事をしている人が、悪いテナントや
悪い弁護士からは格好のお金儲けのターゲットと見られやすい。
それだからこそ、正義を貫こうとする事が返って災いして自分の
財産を悪い人に盗られるというような理不尽な事にならないためにも、
アセットプロテクションが大切である。

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介護費用の高騰とリバースモゲージ

リバースモゲージの相談にみえるお客様の3割近くは、配偶者の医療費の
ため経済的困窮に陥っている高齢者である。配偶者が介護施設に入って
その費用がかさんで貯金もなくなり、リバースモゲージを借りるか、または
メディケイド(低所得者用の州の医療保険)を申請するかしか方法がなく
なっている状態の方々である。介護施設の費用は、安い場合で月$3000、
高い場合は月$10000かかっているという人もいた。メディケイドを申請
するには、夫婦名義の財産をほとんど使ってしまわなければならない。
そこで、自宅を所有している人で、住宅ローンの返済が終わっているか、
ほとんど残っていない人には、リバースモゲージを借りるという手段が
残されているのは本当に幸せなことだと思う。リバースモゲージは、62歳
以上の人なら、家さえあれば、信用度や収入に関係なく借りることができる。
リバースモゲージを借りることで、貯金や生命保険など、大切な財産を
使いきってしまうことなく子供や孫に遺すことも可能になる。

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2007年12月3日

新しい妻への配慮 対 子供達への遺産配分

今日のご相談は、60代後半の男性。40年連れ添った妻が2年前
に亡くなり去年再婚した。前妻との間には7人の子供。自宅の他に
アパートと土地、株、投資信託がある。この男性の希望は、自分が
逝った後、妻が生活に困らないよう、不動産の賃貸収入と投資の
利益を受け取り、自宅に住み続けることができるようにはしてやり
たいが、妻が逝った後には、遺産は自分の7人の子供達が相続する
ようにし、妻の子供達には$1ドルも行くことのないようにしたい、
ということである。このような相続プランを希望される方は多い。
トラストを設立することで、この相続プランを「契約」にすること
ができる。だだ、このような相続計画の場合、自分の死後のトラスト
の管理人を誰に任命するかが非常に大切になってくる。管理人は、
トラストに書いてある通りに相続プランを実行する法的義務を負って
おり、勝手にトラストのお金を動かせば刑事罰に問われるが、大金を
見ると魔がさす場合もある。今回のような事例では、家族や親族、
友人の中から管理人を選ぶのであれば、その他に信頼できる弁護士
事務所などにも依頼して、複数の管理人を任命しておくのが賢明だと思う。

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2007年12月2日

アパート管理会社の選択

アパート管理の悩みを抱えるオーナーから相談を受けた。
雇っていた管理会社の仕事がずさんで、契約に反して許可なく
高額の修理をする、契約に反して低所得者への州の賃料援助を
受けているテナントを入れる、収支が赤字だったと言っては
追加資金を請求するが賃貸収入や経費の明細レポートは出さない、
芝生は伸び放題、公共部分は汚れ放題で、近所からの苦情が殺到
し、ついにこの管理会社を解雇したが、その後も2ヶ月間に渡り
テナントからのレントを不法に集金したというから、刑事罰に
も値すると思う。しかし、賃貸不動産管理にまつわる同様の
問題は数多い。信頼できる管理会社を見つけることは、賃貸
不動産のオーナーにとって大きな悩みである。不動産は良い
投資だとは言っても、誰も自分で管理はやりたくない。休日や
夜間にトイレが詰まったという電話を受けたくはない。この事例
のオーナーの場合、結局このアパートを売却したいそうだ。今、
アメリカの不動産市場は停滞しているが、アパートなど商業
不動産の市場は好調である。おそらく、希望の価格で売却できる
と思う。ただ、この人の場合、売却するとキャピタルゲイン税
だけで25万ドル近く課税されるので、この税金をどう節約するか
について、トラストを利用する方法、TICという投資に買い換える
方法など、いくつかの選択肢を説明した。この管理会社から受けた
損害については、裁判に訴えるかどうか検討中だが、このような
詐欺まがいの管理会社がこのままビジネスを続けることがないよう
に、被害を受けたオーナーには泣き寝入りをせずに、何らかの
アクションを起こして欲しいと切に思う。

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