アメリカ発相続・節税・投資・不動産相談室

2007年11月3日

リビングトラストさえあったなら

数年前に起こった実例ですが、2人の子供を抱えて離婚したシングルマザーが、ある日突然勤務先で倒れたまま還らぬ人となりました。年齢は47歳でした。朝、母親が仕事に出かけるのを見送った2人の子供にとって、それが母親の生きている最期の姿となりました。子供たちは当時18歳と15歳、生まれ育った家に母親と一緒に住んでいたのですが、母親が亡くなったため、離婚後音信不通だった父親が一緒に住むことになりました。しかし父親には再婚相手がおり、その再婚相手の女性には4人の子供がいました。当時18歳の兄はその後家を出て友人とアパートを借り、妹は高校卒業と同時に州外の大学の寮に入りました。兄妹が母親と暮らしていた家には父親が新しい家族と入居、兄妹にとっては帰る家もなくなりました。不動産など本来なら兄妹への遺産となるべき財産が父親のものとなり、いずれは新しい妻のものになるでしょう。兄は生活の為に大学を辞めて働いていますし、妹もアルバイトをしながらの学生生活で、この若い二人の人生は、母親の死によって大きく変ってしまいました。

母親が生前に「リビングトラスト」を作っていれば、こんなことにはならなかったでしょう。リビングトラストによって相続人が2人の子供たちに指定されていれば、兄妹の人生はもう少し楽なものになったはずです。母親の急死はそれ自体大変な悲劇ですが、その後の兄妹の金銭的な苦労は避けることができたものでした。リビングトラストなどの相続計画は早く作っておいたほうがいいことはわかっていても、自分の死のことなど誰も普段は考えないし、日常の忙しさにまぎれてついつい後回しになってしまうものです。でも、人生明日何があるかわかりません。まだ考えていない方は、ぜひこの機会に考えてみてください。

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