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LLC、LPを利用した基本的なアセットプロテクション

 
 

アメリカにお住まいの方ならおそらく誰もがご存知のとおり、私達の社会にはちょっとしたことですぐ訴訟を起こし、他人からお金をとろうとする悪人や、他人の財産を法的手段を利用して盗もうと虎視眈々と狙っているプロの詐欺師集団、わざと交通事故を起こして保険金を受け取るギャング団、さらに悪いことには、資産の多い市民を標的にして利益を得ている弁護士などであふれています。このような悪人から財産を守る手段のひとつとして

よくLLC(リミテッド・ライアビリティー・カンパニー)とLP(リミテッド・パートナーシップ)は、アセットプロテクションのツールとしてよく利用される法人形態です。

 
 
 
 リミテッド・パートナーシップ(LP)の特徴 
 
 

<有限責任>

LPを構成するのは、リミテッドパートナーとジェネラルパートナーです。リミテッドパートナーの責任限度は保有しているパートナーシップの金額までに限られますが、ジェネラルパートナーは個人的に無限責任を負っています。そこで、個人ではなく、リミテッド・ライアビリティー・カンパニー(LLC)か株式会社をジェネラルパートナーにするのが普通です。そうすることにより、ジェネラルパートナーの負う責任も有限になります。

たとえば、あなたのLPに対して取引相手が訴訟を起こして勝訴し、ジェネラルパートナーがその責任を負うことになったとします。ジェネラルパートナーがLLCであり、このLLCは何も資産を保有していないとすると、債権者はいくら裁判に勝っても、お金を徴収する手段がありません。債権者は、あなた個人の財産にタッチすることはできないのです。

<債権者からの保護>

LPの債権者の取り立ての対象になるのは、LP自体が所有している資産と、ジェネラルパートナーの資産だけです。そこで、たとえばあなたが3軒のアパートを所有しているとすると、LPを3つ設立して、それぞれのLPにアパートを1軒づつ別々に所有させるほうが、リスクの分散ができてよいとされます。もし1人のテナントがアパートで怪我をしたと言って訴訟を起こしたとしても、他の2軒のアパートにはその被害がおよばないからです。

またLPのパートナーである個人に対する債権者は、その個人が保有しているパートナーシップ分のみを取り立ての対象にできるのであって、LP自体が所有している財産には手をつけることはできません。たとえば、あなたが、アパートを所有しているLPのうちひとつのLPの25%分を、あなたの息子に贈与したとします。息子はまだ若く無鉄砲で、車両保険に入っておらず、自動車事故を起こし、事故の被害者に対して多額の賠償金の支払いを命じられたとします。この事故の被害者には気の毒ではありますが、LPが所有するアパートを取り立ての対象にはできません。取立ての対象にできるのは、息子が所有する25%分のシェアによって息子がLPから受け取る収入だけであり、しかも、「チャージングオーダー」という手続きを経ないことには、その収入にも手をつけることができないのです。

<チャージングオーダーとは?>

チャージングオーダーというシステムは、LPとLLCに共通する特典です。米国のほとんどの州で、LLCとLPの債権者は、チャージングオーダーが唯一の取立ての手段です。具体的にどういうことかと言いますと、裁判に勝って、LPから$100万ドルの賠償金を受け取るという判決をもらった債権者がいたとします。相手がLPでなくて個人なら、その個人が持っている住宅や銀行預金など全ての財産を取立ての対象にできるのですが、相手がLPやLLCの場合、LPやLLCが所有している資産を差し押さえることは許されず、できるのは、LPのパートナーやLLCのメンバーが受け取る収入を差し押さえる権利を得ることだけで、その手段として使われる手続きが「チャージングオーダー」というものです。しかし、多くのLPやLLCは家族経営ですので、法人からの利益は税金申告はしても、実際に個人にお金を分配することは、必要ない場合が多いといえます。そうすると、チャージングオーダーを発行した債権者は、税金を支払う義務だけが生じて実際の現金は受け取ることができないという状態となります。債権者にとって、これは、時間と労力と費用を無駄にするばかりとなるので、LLCやLPを相手に訴訟を起こすことをあきらめさせる原因となりえます。

チャージングオーダーに関するQ&Aのページもご覧ください。

 
 
 
 
  リミテッド・ライアビリティー・カンパニー(LLC)の特徴  
 

LLCは比較的新しい法人形態で、アメリカでは1977年に初めて紹介されました。LLCは、LPとコーポレーションの利点を一部兼ね備えていることから、「インコーポレーテッド・パートナーシップ」と呼ばれています。LPを構成する役員がパートナーと呼ばれるのにたいし、LLCの構成員はメンバーと呼ばれます。

LPと較べて、LLCの最大の利点は、メンバーの誰にも個人責任がないことです。またLLCが所有する資産は、LPと同様の方法で債権者から守られています。

LLCとLPに関するQ&Aのページもご覧ください。

*なお、当サイトは法律に関するアドバイスを提供するものではありません。法律的な内容は弁護士にご相談ください。


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