アメリカ発相続・節税・投資・不動産相談室

2008年4月15日

健康保険がない高齢者の悲惨

アメリカには日本のような公的な健康保険がない。国民は皆
民間の保険会社から健康保険を買う。勤務先で健康保険を
提供してくれている場合は保険料の一部を給料から天引き
で支払うのが一般的である。

さて、65歳になるとやっとメディケアという公的健康保険
に加入できる資格が得られる。アメリカの公的年金を受給
する資格のある人は、メディケアの保険料のうち、入院など
の医療費の分は無料だが、普通の医者にかかる分の保険料は
年金から差し引かれる。また、メディケアには処方箋薬は
含まれていないので、その分は自分で保険を購入しなければ
ならない。

本日相談に来た日本人男性は77歳で、アメリカに来てから
ずっとアパート経営で生活を支えて来たということで、所得税
の納税はしているが、年金を受け取るための10クレジットという
資格に足らないため年金は受給できず、メディケアに加入する
には、1ヶ月夫婦で$1200ドル(1ドル100円として12万円)
の保険料を支払わなければならないとのことである。

奥さんは身体に障害があるが、ご夫婦にはアパートと多少の貯金が
あるため、低所得者用のメディカルという保険の受給資格は得られ
ない。しかしアパートの賃貸収入だけでは保険料を支払うことは
できず、貯金をとりくずすことになるので、加入するかどうか
決めかねているうちに、奥さんが救急病院へ運ばれて6日間入院
することになってしまい、手術も治療もなく連日検査をしただけ
で6万ドル(600万円)以上の入院費を請求されたとのことである。

この国の医療費は殺人的に高いうえに、保険制度が整っていない。
しかも医療費は、庶民の所得の上昇率をはるかに超えるスピード
で毎年上昇を続けている。世界一の先進国アメリカとして、今後
是非、健康保険の問題を国で解決して欲しいと願うばかりだ。

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2007年12月27日

米国医療保険事情 その3

医療保険では国内最大手のブルークロスが最近、今までより格段に
保険料の安いプランや、健康になろうとする人には「報奨金」を
出すなどの奇抜なプランをどんどん出して来ている。どのプランを
選んでも、万が一の大病になった場合の自己負担の上限はほとんど
一人$5000ドルで、生涯の保険金上限は$5ミリオン、またはプラン
によって$7ミリオンとなっているが、違いは、Dedictibleという、
自己負担額と、処方先薬がカバーされるかどうか、Preventive
Careといって、予防のための検診などが最初からカバーされるか
自己負担額を満たすまでカバーされないのか、出産がカバーされるか
などである。
思うに、私の家族のように、ほとんど医者にかからない場合は、
年間に一人$1000も使わないので、自己負担$1000のプランを
選んでもおそらく満たすことができない。それならば、自己負担
$5000プランの方が保険料が格段に安いので、こちらを選択して、
その代わりに、自己負担額が多いプランを選ぶとヘルス・セービ
ング・アカウントというものを開けて積み立てをすることができ、
これに積み立てる金額は税金で落とすことができ、医療関係の
費用に使う限りは利子にも税金がかからないという特典があるので、
これを利用した方がよい。またこのプランでは、乳癌検診、子宮癌
検診、指定機関での健康診断は全額カバーされるものもある。

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2007年12月16日

米国医療保険事情 その2

企業の保険に加入していた人が退職し、すぐに次の
雇用主の保険に加入できない場合などは、一定期間、
前の職場の保険を継続できる制度(COBRA)があるが、
COBRAの保険料はほとんどの場合個人負担で、しかも
普通に個人で加入する場合よりもかなり高い。しかし
それまで雇用主から提供される保険に加入していた人は
ほとんど、個人保険に切り替えたほうが安いということを
知らない場合が多く、高い保険料を継続して支払って
いることが多い。もちろん保険会社は、このような事を
一般に広く知らせようとはしないし、そうでなくても
保険のシステムは複雑怪奇で、保険業者でさえ変化について
行くのが難しい。前回書いた、社員がそれぞれ個人保険に加入
し、会社から保険料を援助してもらうというシステムを
導入した場合、個々の社員が早くから個人保険に加入する
ことで保険料も節約でき、仕事を変っても保険を変える
必要も、保険料の高いCOBRAに加入する必要もなく、一度
加入した保険は保険料を支払っている限り取り消される心配
がないという点で、個人にとっても会社にとっても、WIN WIN
だと思う。さらに、アメリカの多くの企業が悩む医療保険料の
高騰は、そもそも、自分の懐がいたまない人々が医療費の節約
を考えないで使うことに大きな原因があるのではないか。病気に
なったら何千ドル、何万ドルを自分のお金で支払わなければ
ならないとなれば、誰でも真剣に医療費を節約するために健康に
なる努力、食生活を改善し運動して肥満や糖尿病を防ぐ努力を
するようになるのではないだろうか。

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2007年12月14日

米国医療保険事情 その一

アメリカには日本やカナダのような社会保険制度がなく、
医療保険の保険料は個人にとっても企業にとっても大きな
負担となっている。企業保険は、その会社に勤務する社員
でその会社が決めている条件(勤続1年など)を満たす者
なら病歴にかかわらず加入が認められる。その為、病気の
家族がいて個人では保険に入れないような人が、保険の為
だけに就職する場合がある。このような従業員は仕事に対
するやる気や向上心がない場合も多く、またこの従業員の
家族が多額の医療保険の請求をすることで、この会社の社員
全員の保険料が値上げとなり、その企業および社員にとって
負担となる場合もある。また、企業の医療保険の保険料は
個人で加入する保険料よりもかなり高いということがあまり
知られていない。さらに、企業保険は多くの場合、その会社
を退職したら終了する。退職後、個人で保険に加入しようと
しても健康上の理由で加入できる保険が見つけられない方が
多くいる。一方、個人の保険は、一度加入したら、その後病気
になっても、保険料を支払っている限り取り消されることはない。
そこで、保険を提供する企業に勤めている人でも、会社の保険
ではなく個人の保険に加入し、保険料として一定額を会社から
支払ってもらうという方法を導入する企業が少しづつ増えて
来ている。(続きは次回)

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