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次世代への富の継承

 
 

アメリカの富裕層に利用されている相続対策は数々ありますが、ここでは、アニュイティー(個人年金保険)と生命保険を利用して、相続税を回避し、なおかつ所得税の課税を最小限に抑えて相続を実現する方法を、実例を用いて解説します。

 
 
 
 相続による課税負担と資産の減少:実例の検証 
 
  • 60代後半の夫婦、独立して家庭を持つ子供が2人。
  • 夫婦の純資産は不動産とその他の金融資産を含めておよそ$350万ドル
  • 夫名義で、約20年前に$15万ドルで始めた変額年金が現在$70万ドルに増えている
  • 夫婦は公的年金と、夫のペンション、IRA(個人年金)、債権投資などからの収入が充分あるため、$70万ドルの変額年金に手をつける必要はなく、このお金はこのまま子供達に遺したいと考えている

<このままにしておいた場合、どうなるか?>

夫婦が死亡した時、まず相続税がかかる。死亡時の相続税免除枠によるが、2008年現在は免除枠が$200万ドルなので、これを超えた分について、連邦と州合わせて約50%が課税される可能性がある。さらに免除枠は2011年には$100万ドルに減額されるので、相続税負担はさらに大きくなる。

さらに、子供達が変額年金を相続する際、不動産を相続する時のような「ステップアップベース」が使えないので、両親が購入したときの$15万ドルが課税ベースとなり、両親死亡時の価値と$15万ドルの差額に対してキャピタルゲイン税が課税される。

このままでは、相続税とキャピタルゲイン税を合わせて、最低でも$50万ドルが納税額となる可能性があり、その分、子供達への遺産が減ってしまう。

 

 
 
 
 生命保険と即時年金を利用した税金対策:「ウェルス・トランスファー(富の継承)」 
 

 

$70万ドルの変額年金を使ってSPIA(Single Premium Immediate Annuity = 一時積立即時年金)を購入し、10年間に渡ってここから年金が支払われるように設定し、その年金で生命保険を購入する。

この年金には所得税がかかるので、税引き後の金額が生命保険の保険料となる。ただし、SPIAからの年金に課税される所得税は受給者に有利な計算方法が適用されるので最小限の課税額で済む。

上記の夫婦の場合、死亡保険金$1,450,000の生命保険(終身保険)が購入できる。

さらに、生命保険専用のトラスト、ILIT(イレボーカブル・ライフ・インシュアランス・トラスト)を利用することで、死亡保険金は遺産から除外されるため、相続税の対象外となる。

これにより、夫婦が死亡した時点で相続人が受け取る金額は$1,450,000となり、生命保険を利用するため、所得税もキャピタルゲイン税も課税されないばかりか、ILITを利用することで相続税についても課税対象外となり、何もしなかった場合と比較して、子供達が受け取る金額は$120万ドル以上(約¥1億3千万円)も増えることになり、非常に大きな違いを生むことになる。


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